TL;DR
- ほとんどの内容は再現性があります
- しかし、この記事の内容を必要とする(ほど千客万来な)サークルは多くありません
C107で同人誌を売ってきました
去る2025年末のコミックマーケット107で本を売ってきました。僕はいくつかのサークルで編集役(原稿を印刷可能にすること)をやっていたのですが、諸々を頑張った結果500部を50分弱で売り切ることができたので、本を売ることにはボトルネックがない前提で、本を可能な限り多く用意し、可能な限り速く頒布することに対するブログを残しておきます。
前日準備まで
申し込む
即売会に出るには即売会に申し込まないといけないので、申し込みます。
具体的には、冬コミの申し込みは夏コミの直後にあって、かつ期間がきわめて短いので、夏コミの直後に冬コミの要項を読んで、申し込みます。郵送以外にwebでの申し込みが可能でした。
スケジュールを決める
特にコミケはそれなりに倍率があり、受かるとは限らないですが、当落が11月頭(というか即売会の2か月くらい前)なので、当落の前にスケジュールを引きます。
弊サークルは合同誌なので、以下のように逆算して引きました:
- 冬コミ当日:頒布。
- 冬コミ-1日:前日搬入。会場搬入可能な印刷所はこの段階で納品され、そうでない場合はこの段階で予め納品された本たちを持ち込む。
- -2週間くらい:入稿期限。印刷所が確定していないので厳密には決まらないが、だいたい7〜10営業日前なので、2週間前を見ておくとベスト。
- -4〜5週間くらい:校了・組版開始。ほとんどの場合、このラインが原稿提出の最終締切になります。
- -6〜8週間くらい:初稿〆。ほとんどの人の原稿をこのタイミングで集めます。
厳密に締切を設けてもあまり幸せにならないのと、ほとんどの人の原稿を回収できたら校正・校閲サイドがボトルネックになるので、編集時間をバーターに校正・校閲と原稿の遅刻は許す感じにしています。
印刷所を決める
スケジュールの一番奥の不確定要素である印刷所の決定をします。印刷所が決まると入稿期限と当日の搬入周りが決まります。
弊サークルは持ち込み量がきわめて多いため、頁数部数ともに大量の発注に強い印刷所を探しました:
- ちょ古っ都製本工房
- ブロス
- ポプルス
- 緑陽社
さんあたりが有力でした。ちょ古っ都製本工房さんだけは会場搬入に対応していないので、前日に自力で持ち込む必要があります。
最終的にブロスさんに頼みました。
ところで、印刷所によって将来の発注枠をいつオープンにするかなどがかなり異なるので、早いうちに調べておくといいと思います。
スケジュールをfixしてアナウンスする
印刷所が決まったらスケジュールを確定できるので確定してアナウンスします。寄稿者視点だと要するにいつまでに原稿を用意すればいいかが分かればいいので、まず初稿〆が伝わるようにします。
このとき、校了スケジュールや入稿期限は伝えても伝えなくてもいいと思います。僕はそもそも透明性高いほうが好きなのと、編集期間をバーターに滑り込みを許容する流れを組んだこともあり、トレードオフを明示したうえで全部伝えました。
当選する
冬コミの場合、当落が11月頭くらいに出ると思います。落ちていた場合、締め切りが伸びます。
受かっていた場合、印刷所の申込みが開始する頃だと思うので、部数を読みます。
この記事では用意した部数に対して十分な需要があるというきわめて再現性のない仮定を置くことが可能なので、部数のボトルネックは
- 頒布スピード
- 搬入体積の上限
のいずれかになります。
当選タイミングでスペースが判明するので、ボトルネックの一つである搬入上限を試算することができ、ほとんどの場合搬入上限は頒布スピードに開場時間を掛けたものより厳しい上限を課します。弊サークルの場合は100サイズ50箱くらいが体積的に限界でした。
搬入上限はスペースごとに異なると思いますが、一般に壁は島中・お誕生日席よりいくばくか広いと思います。シャッター前は知りません。
大量搬入申請も同時並行で行いましょう。
サクチケや前日作業証を確保する
前日準備の作業には作業証がいります。また、当日はサークルチケットがいります。
需要より供給がボトルネックになるような嬉しい悲鳴を上げるサークルなら、確実に初期配布のサクチケでは足りません。
大量搬入申請とともに追加のサクチケをもらいましょう。
必要な人員を見積もる
1スペースあたり、最低で
- 売り子が1人
- 箱の開封・帯などの荷解き・ゴミの移送で2人
- 列整理に1人以上
- 何もしなくていいが連絡がつき駆けつけられる人を2人
あるといいでしょう。最後の項目は、現場の人は少ないほどいいものの列長さなどに合わせてフレキシブルに動ける人員があるといいため、当日その場のノリで呼び出しではなく明示的に頭数に入れる方がいいと思います。
足りない場合はどれかを兼任することになると思いますが、
- 箱の開封
- 本の荷解き〜テーブルへの配置
- 頒布
のいずれかがボトルネックになる印象があるので、各々に1人は割り当てるといいと思います。
ここからは人数を用意できる前提で考えます。人数を用意できる場合、各々のメンバーに何をお願いするかを明示します。だいたいサ主か売り子が頒布をすることになると思います。
複数サークルで協力する(そもそも合体サークルで出たり、親交がある)ならすり合わせるといいと思います。
入稿する
がんばりましょう。
必要なものを揃える
- マストで必要:
- お釣り
- サクチケ
- スマホと十分なバッテリー
- おそらく必要:
- ポスター
- ポスタースタンド
- 段ボールを開けられるもの
- 水分やメシ
- 筆記具
- 最後尾札
- 用意したほうがいい:
- テーブルクロス
- 本の什器(立てかけられるものなら何でもいいと思う)
- 見本誌用カバー
- レジ用トレイ
- 名刺とかペーパーとか
- 列途中札
- 委託先のURLをQRにして印刷したもの
- いらない:
- 椅子
前日〜当日のオペレーション
前日搬入
前日搬入でできることは搬入だけです。開封を含むすべての設営はできません。しかし搬入はできるので、当日必要になるテーブルクロスやポスタースタンドなどは持ち込むことをおすすめします。
そして、前日か当日の朝に列をどの方向に伸ばすべきか準備会と話しておくといいと思います。決まっていない場合もあると思います。
列形成が見込まれる場合、かつ人流をどこへ逃がすかわかった場合、列整理をアサインしたメンバーとどこまでで何人並ぶかざっくり見ておくといいでしょう。
搬入上限ギリギリまで持ち込んだ場合、適当に箱を積んでいると搬入上限の寸法をオーバーして準備会に怒られる可能性があるので、収まるように組み直す必要があるかもしれません。
当日;入場から開会まで
当日はサクチケで入場します。早いほうがいいです。マジで。
入場したら準備会に出す用の見本誌を1冊出します。同時並行で設営準備を進めます。クロスを敷いて箱を開け、ポスターを展開し、本を可能な限り積みます。什器を置くスペースは無い可能性があります。
机の上が落ち着いたらぜひツイートをしましょう。同時に、未開封の箱のうち開けられるものは開けておきましょう。
ひとしきり済んだら、当日の人員を全員集めて、買い手の動線を確認しておきましょう。近くの準備会の人も巻き込んで齟齬がないか確認すると安心です。特に列数は押さえておきましょう。
列の確認が済んだら当日動くメンバーを全員DiscordのVCに入れておくといいと思います。ちなみにシーバーを使うと怒られるらしいです(準備会と混線する)。
VCを使う際は場所と要件を必ず含めるようにしましょう。主語も述語も目的語も省いてはいけません。
準備会が列途中札をくれた場合は書き込んでおきましょう。オリジナルの途中札や最後尾札を用意できるといいと思いますが、途中札は特に枚数が読みにくいので、あればあるだけ備えになります。列途中札は列整理役に適宜配っておきましょう。
当日;開会から完売まで
おめでとうございます! 艱難辛苦を乗り越えついに頒布へこぎつけました。ヒルベルトもビビる入場列から無限オタクが入場してきます。しかし、寸暇を惜しんでお礼を述べたいところですが、極限まで塩対応をしないとなりません。牛歩ムーブで列が伸びるとそれ単体でマズいためです。
頒布役はとにかくお金をもらい、本を渡し、その繰り返しです。
開封役はテーブルを枯らすまいと段ボールを開ける必要があります。弊サークルは段ボール1箱に20冊しか入らなかったので、だいたい段ボール開封と頒布が同スピードで進みました。
列整理役は新刊の価格を叫んで「2000円用意してください〜!!!」などと絶叫することになると思います。当然現金のみです。決済に5秒もたつけば1人余分に頒布できます。
溜まった段ボールを外に捨てに行き、その帰り道で列整理の手伝いをしつつ、列長さを概算し、列長さから必要な残り箱数を暗算します。
VCで要請があったり無理がありそうなら足軽役を呼び、準備会に助けを仰ぎます。特に列整理については準備会の方々はプロです。
献本分を間違って売らないようにしましょう。
完売したら
ツイートしましょう。
その後、見本誌を用意しましょう。
委託先のQRも用意しましょう。
ポスターじゃんけんを告知してもいいかもしれません。しかしその前に、何か栄養を流し込んでください。クタクタのはずです。
献本やら他のすべきことが済んだら、好きなタイミングで撤収しましょう。